年金はいつからもらうのが得なのかな
私はできるだけ繰り下げて受給するのがいいと思うよ
年金受給の現状
年金受給の平均受給額現状を把握したいと思います。
年収や勤続年数により受給額が変わりますので、記載内容は大まかな金額になっています。
年金は、賦課方式が採用されています。
賦課方式とは現役世代が納めているお金で、現在の年金受給世代に支払うという方式です。
自分たちが受け取る為の貯金ではないということだね
しかし日本の少子高齢化が進むにつれて支える分母が小さくなってきてます。
- 昔は老人一人当たり約9人の労働者が支えていました。(ピラミッド型)
- 現在は老人一人当たり3人で支えています。(騎馬戦型)
- 近い将来は老人一人をほぼ1人で支えるようになってきます(肩車型)
このため、将来年金受給額は減るのではないか?また納める現役も増税があるといわれています。
繰り上げ又は繰り下げ受給時のシミュレーション
年金を繰り下げ需給した場合 0.7%×繰り下げた月数
繰り下げした場合1年間で8.4%も年金支給額が増えます。
投資の期待利回りが、年利5%~7%とといわれていますのでそれを上回るものでしかも確定になります。
よく老後の退職金を投資に回すということを考える方がいます。
なれないことをするよりも、繰り下げ受給したほうが確定で利回りがいいということになります。
イメージしやすいように具体的な金額を出してシミュレーションしてみます。
厚生年金加入者で通常の65才から受け取り開始した場合15万円もらえると仮定します。
そうすると月の受給額は下記の通りになります。
65才から受給開始 150,000円/月
70才から受給開始 213,000円/月
各年齢時における受給総額を表にしてみました。
60才から受給開始 | 65才から受給開始 | 70才から受給開始 | |
65才時の受給総額 | 6,300,000 | 0 | 0 |
70才時の受給総額 | 12,600,000 | 9,000,000 | 0 |
75才時の受給総額 | 18,900,000 | 18,000,000 | 12,780,000 |
80才時の受給総額 | 25,200,000 | 27,000,000 | 25,560,000 |
85才時の受給総額 | 31,500,000 | 36,000,000 | 38,340,000 |
細かく逆転する年齢を計算します。
60才からと70才からは79才6ヶ月で逆転
65才からと70才からは81才9ヶ月で逆転
長生きすればするほど繰り下げ受給したほうがよいという結論になります。
しかし本当の注目すべき点は毎月の支給額です。
生活コストが20万円/月だった場合
- 60才から受給 -95,000円
- 65才から受給 -50,000円
- 70才から受給 +13,000円
70才から受給の時だけ毎月の収支が赤字になりません。
マネーマシンがないと、貯金と年金だけで生活するのに毎月赤字が出ると、貯金は減るだけです。
何歳まで生きるかわからないから常に不安が付きまとうね
80才間近になって慌てて働こうとしても雇ってくれるところがあまりないと思います。
それならば70才まで働いてできるだけ繰り下げ受給したほうがいいということになります。
繰り下げ受給で損する場合
繰り下げ受給した場合必ず得するとわけではないでしょう?
受給開始前に亡くなった場合は遺族に対して遺族年金が支払われます。
本人は受け取ってないから損したと思うかもしれませんが世帯で考えたときには遺族に支払われるので損はしてないと思います。
受給開始後逆転する前に亡くなった場合これは損したといえます。
考えてもわからないことは考えず、長生きした場合万全なほうがいいです
今後の年金事情について
年金改革法が2020年5月29日に成立しました。ピックアップして4つの変更点を解説します。
企業規模により厚生年金適用拡大
短時間労働者(1週間に20時間以上30時間未満の労働者)が厚生年金加入の義務付けになります
事業規模 | 導入時期 |
101人以上雇用 | 2022年10月から |
51人以上の会社 | 2024年10月から |
対象者を多くして年金財源の確保をしようという狙いです。
130万未満で扶養を受けていた人は対象になるので自ら年金を収めるようになるので手取りは減ります。
企業は半分負担するので、負担が増えます。
年金の繰り下げ年齢の延長
70才までの繰り下げが75才まで繰り下げることができます。
繰り上げ受給の減額が0.5%→0.4%に緩和されます。
iDeCoも受給開始を遅らせたり追加で年数を多くすることができます。
年収が引くかった場合繰り下げを延長してさらに月の受給額を増やして黒字化がはかれます。
逆転する年齢がもっと高くなるだろうけどそこまで生きてるかなぁ
iDeCoの延長には国民年金に加入してる必要があるので、国民年金を払う必要があります。
国民年金は40年(480ヶ月)積み立てることでもらえるようになる制度です。
何かしらの事情で60才までに月数が足らない人は満額もらうために追加で払えます。
在職老齢年金の改正
60才で定年を迎え再雇用を受けた人は年金と給料の合計が28万円以下である必要がありました。
これが47万円まで緩和されました。
働きながら年金も受け取るのに働く時間を調整している人はほとんど調整不要になります。
定年後なるべく長く働いてもらえるように改定されています。
企業型確定拠出年金とiDeCoの加入が同時にできます
今まで1階は国民年金、2階は厚生年金、3階は企業年金だったけど4階iDeCoができます。
でもこれってそもそも企業型確定供出年金を導入してないと見ないよね
そうですね。ですから勤め先が中小零細企業の場合ほとんど関係ないかも
まとめ
今回お伝えしたいことをまとめます。
- 将来の不安をなくすのにできるだけ働いて受給年齢を繰り下げる
- 節約をして毎月の生活コストを下げる
- 繰り下げ需給は投資をするよりローリスクハイリターン
投資は長期だと負けにくいので60才からの投資はお勧めできません。
それよりも生活コストを下げて、働けるうちは働いて年金の受給開始を遅らせる。
これが現実的なプランだと思います。