先進国よりも新興国のほうが伸びしろあるよね
確かにそうだけど新興国には新興国のリスクがあるから注意しないとね
新興国と先進国の定義
先進国・新興国というと次のイメージがあると思います。
新興国:生活水準が低く経済発展が遅れている国家
実は明確な定義はありません。
一つの目安として『OECD(経済協力開発機構)に加入していたら先進国』となっています。
OECD加盟国はリンク先で確認できます。
チリやトルコは新興国のイメージがあるのに先進国の区分けになるんだね
新興国でも国別GDPランキングで中国は2位ですし、ロシアなどの大国も新興国です。
よくわかんなくなってくるね
実はGDPは国全体でみると中国は世界2位ですが、国民1人当たりのGDPは低いです。
9位 アメリカ 約660万円
26位 日本 約410万円
65位 ロシア 120万円
71位 メキシコ 100万円
72位 中国 100万円
73位 トルコ 100万円
トルコ、メキシコ等先進国の部類でもGDP低い国もあります。
何が言いたいかというと【新興国=伸びしろがあると安直に考えるのは危険】という事です。
新興国の株価推移
新興国がどのように株価が推移してきたかを確認したいと思います。
『VWO』というETFがあります。これは簡単に言うと新興国の詰め合わせパックです。
直近10年の株価チャートは下図のとおりです。
最近は高値更新してますが、大体USD30.00~USD50.00で推移しています。
次にアメリカの指標S&P500と同じ『VOO』というETFの直近10年チャートです。
きれいな右肩上がりです。2012年にUSD100.00くらいで直近はUSD350.00です。
過去と未来は必ず同じになるわけではありません。
しかし『新興国は伸びしろあるから株価もあがるはず』とは必ずしもそうとは言えないです。
外国投資のリスク
これまで紹介してきた銘柄で外国株について紹介してきました。
その時に必ず『為替のリスク』を説明してきましたがこれは必ずついて回る話です。
USDは比較的に世界共通通貨として安定していますし、円も信用力が高いです。
ユーロも流通量が多いのである程度の安定感はあります。
新興国の通貨はその価値の保全に信用力がないです。
参考にアルゼンチンに投資したらどうなるか?
10年間でペソの価値が1/10になっています。
つまり株価が10倍になったらイーブン、5倍になっても損をするという事です。
投資をする時円をその国の通貨に換えて、売って何かを買いたいときにはその国の通貨を円に換えるようになります。
為替のリスクはなめたらやられるね
新興国に投資する場合は特にそうだね
新興国のリスク
国によっては他にもリスクがあります。
政治リスクや市場規制が甘いという事があります。イメージしやすいのは中国です。
官僚が普通にインサイダー取引してたり、政府が市場に介入して規制したりします。
こんなリスクを抱えて長期で安心してられるでしょうか?
また新興国に限ったことではありませんがすでに高い期待値が織り込まれているという事があります。
株価というのは今というよりは数年先の状況を織り込んで推移していきます。
つまり数年先の発展を今の株価はおりこんでいるという事です。
絶好調と一般の人が知った時は、もう遅いという事ですね
安い時に先を見通す力が必要だね
それで結局新興国に投資するのはどうなの?
新興国に投資するのは悪い事ではありません。
短期的に見たら先進国よりもリターンが大きい年もあります。
しかし長期で見ると先進国を上回るリターンは期待できないです。
まとめ
新興国の過去10年間の株価推移はほぼ横ばい
為替リスクは非常に大きい(特に新興国の場合)
国によっては政治が市場に介入してくるリスクもある
株価は数年先をおりこんで現在地になっている
投資をするときはイメージではなく、中身をしっかり理解してすることが大事です。
リスクとリターンを十分に検討して投資するようにしましょう。